作品ランキング




1位
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ユーザー名: 名無し
ギリギリ骨董屋
 お 題 :田中,骨董屋,今月
私は貧乏な骨董屋。大好きな芸術品に囲まれながら過ごす毎日はとても幸せなものだった。
しかし、家計は常に火の車。
何か売れなければ今月の家賃を支払えないというところまで貧窮してしまったのである。
大家の田中さんは厳格で有名。このままでは店を立ち退きになってしまう。
そんなとき、外に老人の姿が見えた。
思わず顔がほころんだ。常連の山田さんだ。
山田さんは大の芸術品好きで、時々店に顔を出しては、必ず何かを購入してくれるのだ。
しかし、山田さんはそのまま店を通過してしまった。外を覗くと、小さい男の子と手を繋いでいた。
孫と一緒だったため、店に立ち寄ってくれなかったようだ。
落胆し天を仰いだ私の前に、一台のタクシーが停車した。
降りてきたのは帽子を被った老婦人。まっすぐ店に向かって歩いてきた。お客様だ。
「いらっしゃいませ」
「家賃出せ」
帽子の奥に見えたのは、田中さんの顔だった。


1位
ユーザー名: 歪鼻
それいけ!半田先生!
 お 題 :校則,狩人,先生
校則を顧みぬ生徒らを取り締まるべく、風紀顧問の半田先生は今日も校舎を往来する。
未来の違反者を見つけては生徒の髪を脱色して取り締まる。さながら風紀の狩人だ。
「詐欺だろ!」
生徒の信頼はアツい。


1位
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ユーザー名: reito24
雪の精霊
 お 題 :友達,冬,雪だるま
僕の住む町では年に一度だけ大雪が降る。決まった日時というわけではないし、そんな兆候があるわけでもないのだけれど、今年だって大雪は突然やって来て一晩で町を覆ってしまった。
僕は友達がいない。だから休日は滅多に外にでないのだが、いつもこのときだけは何故か無性に外出したくなってしまう。
きっと朝に臨時集会があるせいだろう、厚着をして屋外に出てみると僕以外誰もいなかった。いや、正しくは僕と一体の雪だるまだけが、どこまでも白い冬景色のなかにぽつんと立っていた。
不思議なことに僕とその雪だるまは日がくれて、雪が橙赤色に染ってしまうまで見つめ合いながらたった二人で立っていた。まるで自分の居場所がわからなくなるくらいに。

雪が解け去った次の日、その村には誰一人居なくなっていた。


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ユーザー名: whitmire
お寿司たべたい
 お 題 :魚,ランキング,強い
ここはお寿司屋さんランキング3位のお店、僕はできあがった寿司を食べる客。このお店の自慢はネタへのこだわりだ。お魚は早朝卸した新鮮なものを使う。まな板に乗せてもピチピチと跳ね荒波にも強い力で進みそうだ。


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ユーザー名: whitmire
自然
 お 題 :ドライブ,デート,曲
ドライブデートでステレオにかける曲を決める。走行中助手席に座る兎に尋ねた。ヘビーメタルがいい?それとも賛美歌?外の暗く静かに流れる景色を見ながらいった。「窓を開けて、それだけでいい」


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ユーザー名: whitmire
老いぼれたビジネスマン
 お 題 :地球,征服,計画
私の叔父は自社企業の計画倒産により土地や家族を失い、人里離れた山奥に移住した。ソファに座りながら叔父は険しい表情で言った。「地球は丸い、誰かが征服をしようものなら追ってとぐるぐる回ることなる」


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ユーザー名: whitmire
学校が異常気象で休みになった。
 お 題 :大雨,雷,休校
今日は学校が休校になった。異常気象ということでテレビに映るアナウンサーが外出を控えるよう促している。僕もこんな滝のように落ちる大雨と鬼が襲来しているような落雷の中お外に行くなんてどうかしていると思う。


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ユーザー名: fuyumura
丑三つ時、森の中にて。
 お 題 :たき火,焼き芋,秋
「なんかさあ」
「うん?」
「焼き芋が食べたくなってくるね」

目の前でぱちぱちと音を立てる炎を覗き込んだ彼が呟く。
昼間の暑さを引きずる生温い風が吹く度、ふわりと舞い上がる火の粉。

「あんまり近づくと危ないぞ」
「だいじょーぶ」
「"だいじょーぶ"、じゃないだろ。髪が焦げる」
「あー」

屈み込むそいつの腕をとり、数歩下がらせる。

「なんで焼き芋?秋はもう少し先だろ」
「だってこれたき火みたいじゃん?たき火といえば焼き芋でしょ」
「ああ…そういうことね」

先程より少し勢いの強くなった炎を見遣る。
紅色の奥に透ける黒い影がごろり、と崩れる。そろそろ燃料を足した方がいいか。

「でもこの火で焼いたのは食べたくないよなー」
「…まあ、そうだな」

あっけらかんとした言い方に思わず苦笑する。確かに誰も食べたいとは思わないだろう。
その言葉に心底同意しながら、崩れた拍子に飛び出した"脚"を炎の中心に押し込んだ。


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ユーザー名: 名無し
100字にしたら、前書きにもならなかった。
 お 題 :朝,コーヒー,パン
朝はコーヒーとパンでいいという夫と、炊き立てご飯と納豆なしには一日が始まらない私。けれど毎朝、和洋二種類の朝食を用意するのは大変である。なので今日は洋食なら明日は和食と、一日おきに相手に合わせている。


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ユーザー名: doldoni
 お 題 :探偵,虫眼鏡,事件
僕は、虫眼鏡。
僕の目は、とても大きいんだ。だって、小さいものを大きく見るためだもん。その方がきっといいでしょ?
僕はいろんな旅をしてきた。といっても僕の持ち主が変わっていっただけだけどね。
いつも地面で寝そべって虫を見てる大学の昆虫博士、気難しそうに地球儀を見てる地理の先生、僕をカバンの底に入れっぱなしの男の子とか色々さ
今は、小さな町にある小さな探偵事務所にいるんだ。事件がいっこうに起きそうもない町にいる。いつも鏡の前で僕を持って若い探偵が決め台詞の練習をしている。
まだ僕の本当の出番はなさそうだ。


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ユーザー名: 名無し
ある事件の発端
 お 題 :悪魔,東京,赤の
就職先は東京だった。巨大な社屋の呼び鈴を押すと戸が開いた。
通された研究室には男女が十数人。赤の他人でもこれから共に働く同士だ。
手始めに指示されたのは妙な薬物の作成、それは後に悪魔の毒薬と言われた。


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ユーザー名: 名無し
 お 題 :暗殺者,公衆トイレ,蘇る
目が覚めた。全身が汗でびっしょり濡れている。ふと蘇る悪夢の断片。夢の中で私は暗殺者に追われ、公衆トイレに逃げ込んだ。しかしドアに鍵はかからず、目の前の黒い影に手を掴まれた刹那、時計のアラームが鳴った。


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ユーザー名: 名無し
初めてのアルバイト
 お 題 :女王,バイト先,異端
友人にどうしてもと泣きつかれ、渋々行った一日だけのバイト先は妖しいネオンに浮かぶ街の一角にあった。毒々しい色で「女王」と書かれたその看板は、自分の中ではかなり異端なものに映り、ただ茫然と立ちすくんだ。


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ユーザー名: 名無し
白くま赤くま
 お 題 :白くま,病院,狂乱の
彼女はその病院で白くまと呼ばれることになった。白衣の天使ではなく、狂乱の白くま。彼女がアザラシの雛を全部食べてしまったからだ。白い部分がほとんどあの色に染まっていたから、赤くまって呼べばいいのね。


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ユーザー名: 名無し
夏の約束
 お 題 :カブトムシ,リビング,約束の日
そろそろ本格的な夏が近づく中、リビングの開けっ放しになっていた窓からカブトムシが迷い込んできた。僕はカブトムシを優しく持ち上げるとベランダに出て、手すりの部分にそっとカブトムシを置きいた。特にこれといってやることもない僕は、ギラギラと強い日差しが降り注ぐなか、カブトムシが飛び立つのを待った。なかなか飛び立とうとしないカブトムシに僕は痺れを切らし、ちょんちょんっと指で突くと、カブトムシは翼を広げて太陽に向かって飛び立った。太陽が眩しくついついしかめっ面になっていると、

「また眉間にしわがよってるよ」

 と、どこからか聞こえた気がした。僕は暑さで頭がやられたかと思いつつ、約束の日が近いのを思い出していた。


1位
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ユーザー名: 名無し
 お 題 :怖い話,ヤンデレ,離婚

 「ねぇ、なんで。なんで避けるの」
 消え入りそうな声で紡がれる少女の声。
 背後から聞こえるそれを、ボクは無視する。
 「ねぇ、なんで」
 この幻聴が鳴り始めたのは、
 半年前。ちょうど、両親が離婚したとき。
 正確には、父の実家のとある地方都市に移住した直後からだ。
 ボクが住んでいるのは、祖母が所有するマンションの一部屋。
 立地は悪くない。学園が直近にあるし。
 でも、この声だけは勘弁して欲しい。
 「無視しないで」
 語りかけてくる声。少女の。
 いつもこちらに反応を求めてくるこの声に、ボクは返答をしたことがある。
 けれど、取り立てて何も起きはしなかった。
 それ以降は、聞き流すようにしているのだ。
 とはいえ、昼夜問わずにするこの声にボクも迷惑している。
 一応、友人に相談をしたことがあるが、怖い話は苦手だったようで、お前の家には絶対にいかん、と言われる始末。
 かと言って、わざわざ場を手配してくれた祖母や父に相談するのは気が引ける。
 「無視、しないで」
 なので、当面ボクはこの声をヤンデレの女の子のものだと思いこみ、様子を見ていくことに決めた。
 誰かに、塁が及ばないことを信じて。
 

 


1位
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ユーザー名: 名無し
 お 題 :エイリアン,ごぼう,仲間

 地球外生命体。エイリアンとも。
 それが、実在すると知ったのはつい最近のことだ。
 様々な媒体で取り上げられるソレは、直近では、古代遺跡の建築などにも関わっている説が浮上しているらしい。
 胡散臭い。
 それが、つい先日までの私の所感。
 しかし、前述した通り、ソレは実在していたのだ。

 雨上がりの夜。

 この日私は、帰りの電車内で爆睡してしまい、気がつけば終電の時刻となって、強制下車させられて、――有り体に述べてとても困っていた。
 徒歩で帰れる距離でもないが、タクシーに大枚を差し出す気も起きない。
 私は、駅近くにあるベンチに腰を掛けて、バッグに入っていたごぼうチップスを取り出した。
 と、破れない袋と格闘していた私が、力みすぎて酸欠気味になった、その時だ。
 「どれ、貸してみなさい」
 声がして、思わず空を仰ぐと、――そこには、異常なまでの偉丈夫が表情筋を朗らかに緩めていた。
 「え、は、はい」
 肯定する。提案を拒絶するなどという選択肢は――いや、そもそも思考が働かなかったのだと思う。
 その異常な筋肉塊が、まるでガムを引き伸ばすように袋を開けた。
 中身が、四散した。
 「す、すまない」
 誤っている。けれど、今そんなことはどうでもよかった。
 私はひと目見たときから発したかった言葉を口にする。
 「あなた、何処の星の人ですか?」
 「星? わたしはれっきとした日本人――同国の士だよ、お嬢さん」
 いやいや、勝手に仲間扱いしないでくれ。
 「ああ、それよりもすまなかった。力加減を誤ってしまったらしい」
 「はぁ」
 「ついては、弁償させてほしい。しかし、今わたしには現金がない。よって、後日ここにかけて欲しい」
 差し出されたのは、一枚の半紙。名刺のようだ。
 「あ、はい」
 私は、深く考えもせずに頷く。視界に居られるだけで、まるで夢でも視ているような気分に陥る。
 「ではお嬢さん。お気をつけて近くにネットカフェがあるからそこに泊まっていくといい」
 ……
 …………
 その偉丈夫は言うと踵を返し、夜の闇に消えていった。正確には、山の方向へ。
 「なんだったんだ今の。つかネットカフェどこだよ」
 ひとりごつ。
 ふいに握っていた拳を解くと、先程手渡された紙切れが視界に映る。
 携帯の灯りで照らすと、そこには、ネットカフェの住所が載っていた。
 


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ユーザー名: まぐしろ
コンビニ前の伝説
 お 題 :伝説,存在,男
――奴は伝説と呼ばれる男だった。
そいつはある日突然、姿を現した。
僕はその時丁度、コンビニの前にあったゴミ箱に食べ終わったカップアイスの容器を捨てる所だった。
男は突然現れてこう言った。
「あんた、それ捨てるのかい?」
そう話しかけてきた男の身なりは別段、薄汚れているわけでもない。
存在感の薄い近所に居るただのオヤジだった。
「え?えぇ…。食べ終わったので」
当たり前じゃないか。僕は心の中でそう思う。
「……そいつはダメだな」
「は?」
男が急に僕の行動を否定した事に驚いた。
「な、なんでですか?」
突然の言動に疑問になった僕は思わず、そう言い返す。
「それはな……」
「……ゴクリ」
勿体ぶった男の言い方に唾を飲み込む僕。
「あんたの持ってるソレ。ウチで買ったアイスじゃないからだ」
「…………は?」
「ほら、よく見ろ。ゴミ箱に“家庭用のゴミはご遠慮ください”って書いてあんだろ?」
――その男はコンビニの店長だった。どうやら僕の魂胆は見透かされているようだった。
「あんたが、コンビニに来ては誰にも気づかれない内に“自宅ゴミを処理する《伝説の男》”って事はバレてるぞ!」

……こうして僕はコンビニの店長に捕まりついに正体がバレてしまった。
当然、このコンビニは出禁となってしまい近所のコンビニにもこの事が周知されてしまう。
人生時には失敗もあるし、こればかりは仕方がない。

――反省して……次はひと駅先のコンビニ探してゴミ出しするか。
僕は名案を思い立ち、実行に移す事に決めたのだった。

コンビニ前の伝説 完


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ユーザー名: クズキ
中二病高校生の幕間
 お 題 :学校,授業中,テロリスト

 ――放課後の、静寂をぶち壊して異形は現れた。
 「ヒ、ヒヒイ」
 歪んだ声と、狂った挙措。
 満腔を不自然に蠢かせながら、それは歩み寄る。
 徒人ならば、臆して逃亡――あるいは狂乱する状況で、その青年は泰然とため息を着いた。
 「新手か。全く、困ったものだ」
 彼は、日常生活――こと学園生活において――では授業中に居眠りをしたり、生徒総会に闖入しては、テロリストの真似事をしたりしている高校生だ。
 しかし、ただの残念な人ではない。
 彼の右手に、漆黒の焔が灯っている。
 彼は、異能者なのだ。
 それも、特A級の魔術師。
 有事においては、遺憾なくその身に宿す魔の法を行使する異端者。
 
 「ではな」

 一言。 
 ただそれだけ零して、彼――戒斗は指を鳴らし、踵を返す。
 その振る舞いに、連動して異形は黒い炎に包まれ、焼失した。
 
 「さ、もう学校に用はない……弁当買って帰ろ」
 


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ユーザー名: 名無し
釣り人の愉しみ
 お 題 :釣り,意外,獲物
釣り、それはせっかちな人間にとっては忍耐との勝負でもある。
しかし意外と言えば意外であるが、魚を釣ることではなく『釣りをしている』こと自体を楽しむ人もいるくらい
『待ち』の時間も釣りの醍醐味なのだ。

釣り糸を垂らし、ゆっくりと海を眺める。
獲物がいるかどうかなどとは考えず、ただその時間を愉しむ。

さっきから見てるけど全然動かないな、なんて人を見かけたら、
その人の釣り針には餌がかかってすら無い――なんてこともある、かもしれない。